ねとねと言わせて

趣味のこと、思ったこと

青い栞

わたしは読書家ではないが、全く読書しないわけではないので趣味は読書ですとは胸を張って言えない。

書店でおもしろそうだなと思った本を見つけては買っている(そして積む)。今は訳があって本を読んでいる暇はないが、おもしろそうな本は見つけ次第買っているので小説だけでも20冊はわたしに読まれるのを待っている。ごめんね。名前を聞いたことがあるないに関わらず買うので本棚にはいろいろな作家さんの名前がある。しかし、わたしにも好きな作家さんはいるのである。今日はその人の話。

 

その人の作品との出会いは3年前に誕生日プレゼントで大学の先輩からもらった『ペンギン・ハイウェイ』。今年の夏にはアニメ映画化されたがもちろん観に行った。あれはあれでとてもおもしろかったし泣いた。

先輩はおそらくわたしがペンギン好きなのと、ストーリーからその本をプレゼントしてくれたのだろう。けっこう有名な方なのにわたしはそれまでお名前を存じ上げなかったが、読んでみるとなんだかとても不思議でスピッツを聴いているみたいだった。森見ワールド全開である。

しかしわたしは遅読なためなかなか読み進まず、途中で読むのを諦めてしまっているのだが(おい)、そこは許してほしい。

 

それから数ヶ月後、偶然にしてわたしはご本人様を見かけることになる。三省堂書店池袋本店。彼はそこでサイン会の真っ最中だった。わたしは彼が新刊の『夜行』を出したこともそこでサイン会を行なっていることも知らずにそこを通りかかった。しかもなんならわたしは本を買いに行ったのではなく隣の山野楽器に用があった。

誰のサイン会だろうと思ってせっせとサインをしている男性を見るが誰だかさっぱりわからない。しかし辺りを見回すと森見登美彦とあるではないか。

あの『ペンギン・ハイウェイ』の作者!?うええええ!!と心の中で叫んだ。品と育ちが良さそうなその姿にわたしは釘付けになり、なんだかいいものを見た気がした。

わたしの好きなミュージシャンたちは曲を出したらメディアには出るからどんな人かわかるが、作家はどんな人か謎のまま…みたいなことも少なくないと思う。本当にいたんだ…としみじみしてしまった。

 

昨年は『夜は短し歩けよ乙女』もアニメ映画化された。タイトルのリズムの良さと作画に惹かれて観に行ったが、これもとても不思議で、でも不思議という言葉で表したくないのだが、とてもおもしろかった。日常と非日常が織り混ざっている、そんな世界観がわたしは好きなのかもしれない。

また、京都への憧れみたいなものもあるかもしれない。京都といえば修学旅行と日帰り旅行で行ったことがあるくらいだが、何度行ってもまた行きたくなるし、何も持たずにぷらーっと散歩してみたい。一歩通りを外れたらえっとなるような町並みもおもしろい。とはいえそこまで京都にのめり込めたことはないのだが、いつか観光を無視して京都という街に溶け込んでみたいものだ。

 

さて、話は変わるが昨日『熱帯』が出版された。今度こそサイン会も行きたかったが残念ながら行くことは叶わず。正直ハードカバーはあまり好きではなく、文庫になるまで待とうかとも考えたが数点だけサイン本があるとのことで取り置きしてもらい、無事に購入できた。来年からは東京ではないところへ行くのでそれを考えるとサインを手にすることのできる最初で最後の機会かもしれない。

初めて見たサイン、とても綺麗で惚れ惚れとしてしまう。今は読めないのに何度も本を開いてはにんまりしている。早く読みたい!わたしはとてもうずうずしている。

 

というわけでわたしの好きな作家さん、森見登美彦さんの話であった。