夢じゃない
実は小さいときからしいたけが嫌いで食べられなかった。それはこれからも続くのだろうと思っていたから自己紹介にも使ってみた。のに、
食べられちゃったよ?え??
自由が丘のとあるイタリアンレストランにて。たのしみ〜と運ばれてきた前菜を見たところ、ヤツはいた。おいおいここはイタリアンレストラン様だぞ、お前さんは和食屋さんにでもいればいい…。しかし何をトチ狂ったか、最近食べていないし食べてみよっかなーと思ってしまったのである。最近とは言ったもののかれこれ15年ぶりである。よく年を取れば嫌いだったものも食べられるようになると言うし、15年も経てばいい加減食べられるようになっているかもしれない。
ちなみにしいたけの何が嫌いか、
・味(飲み込めない)
・食感(もにゅ、じわぁ〜、じゃないんだよ)
・石づきがとられた跡とヒダ(ぞわぞわする)
・におい(干ししいたけを発明した人は末代まで呪う)
とまあ全てが嫌いである。
よく「しいたけなんて味しないじゃん〜」という人がいるが、そのたびにお前の舌は節穴か!?!?と返すのをぐっと堪えていた。
水をたっぷり用意してしいたけチャレンジスタート。おそるおそる口に運び、噛みしめる。
し「もにゅ」
私「うわー!おろろろろ」
し「ほら…味わえよ……」
私「いやぁぁぁぁぁあ…れ?こんな味だったっけ?」
し「せやで」
私「もぐもぐごっくん」
ついに飲み込んだ…。本当に飲み込んでいいのか何度も考えた。でもヤツはもうお腹の中。
食べてから数時間経った今でもヤツがわたしのお腹の中にいることが信じられないでいる。正直不気味である。しかしもぐもぐごっくんしたものの、しいたけが好きになったかと言うとそうではなく、むしろ余計嫌いになった気がする。食べてしまった罪悪感でいっぱいだ。そして干ししいたけを水で戻しているときのあの匂いとは一生分かり合えないままだと確信した。
三月七日はしいたけ記念日。